a-gameピックアップ
11.『クルード』[Cluedo/Clue/クルー]
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〈世界で人気の探偵ボードゲーム〉 ●古典的名作ゲーム 今までプレイしたゲームの中で私にとって傑作といえるゲームを3つ上げろと言われたら、間違いなくその中の1つは『クルード』を入れるでしょう。 『クルード』に出会うまで犯人を捜すゲームと聞けば、1度プレイしてしまうと犯人がわかってしまうので2度とプレイできないのでは? という先入観を持っていました。だって、犯人や凶器なんて毎回変わるゲームで犯人捜しのストーリーを追っていけるとすれば、探偵小説何本分のシナリオが準備されているの? ということになりますよね。 ところが学生の頃このゲームを知りプレイすることで、こんなやり方で「犯人捜し」がゲームにできるんだと驚かされた記憶があります。いや、このゲームを知らない人はプレイすることでそのシステムの単純明快さに驚かされることでしょうから。 以後チャンスがあれば必ずプレイしてきたこのゲーム。しかし犯人捜しという端から見れば難しそうなテーマの作品だけに敬遠する人もちらほら。3人から遊べるゲームなのですが、出来ればフルメンバーで遊びたいゲームで人数を集めるのに一苦労したものです。確かに犯人を推理するという難しさはあるものの、犯人・凶器・犯行現場を探し出すという爽快感とプレイヤー同士の駆け引きは他のゲームでは味わえない面白さがあります。論より証拠、まずはプレイすることでこの斬新かつ頭脳をめいっぱい使うゲームを多くの方に知ってもらいたいと切実に思うのです。 ということで、今回は世界規模で人気を博している推理ボードゲーム『クルード』を紹介したいと思います。 ●『クルード』とは? その昔、このゲームは日本語版として『三毛猫ホームズの殺人館』というタイトルで発売されたことや現在販売されているゲームとは少し設定が異なった版で販売されていたこともあるのです。ですが基本的にはどの作品も同じシステムで遊ぶことが出来ます(この他に国内では『名探偵コナン 消えた財宝の秘密』というゲームもあり、これもクルードなんですが殺人事件ではなく「犯人」「盗んだ宝石」「隠した部屋」を当てるゲームになっています)。 ただ、この新版になって変わったことが。それは、登場する容疑者(自分も容疑者なのですが……)の駒が全て着色済みフィギュアになったこと。旧版は凶器はメタル製だったものの容疑者はポーンを利用していましたから、より臨場感が出るように工夫されている訳ですね。 探偵もののゲームなのですが、このゲーム、勝利条件はどうすればよいのでしょうか? 話しは簡単。犯人・凶器・犯行現場を推理して当てればよいのです。 では、勝利を収めるために具体的にどのようにゲームは進められるのか? ゲームにはマップが準備されており、犯行現場となった館の内部が描かれています。描かれている部屋は9カ所。それぞれの部屋が犯行現場と予想されるところで、各々のカードが1枚ずつゲームには準備されています。使用された凶器は各々駒となって準備されているのが6個あります。これもカードがそれぞれ1枚ずつ準備されており、容疑者の6人もカード化されているのです。 容疑者カードの6枚、凶器カードの6枚、犯行現場カードの9枚をそれぞれ1山にしてよく切り、各々の山から1枚ずつ見えないように引いてきて袋の中に入れて準備します。残りの山札は全てよく混ぜて参加するプレイヤーへ均等に配ることでゲームの準備は終了です。配られたカードは自分以外他人は見ることは出来ません。 先に書いた袋の中に入れたカードが犯人・凶器・犯行現場となる「本星」です。プレイヤーに配られるカードは全て「シロ」のもの。自分の手番がやってくると容疑者駒を動かし館内の犯行現場のいずれかに入ります。そこで推理が始まるのです。 推理は宣言者の左隣にいるプレイヤーが推理した内容に該当するカードを持っていたら「いずれか1枚」のみ密かに宣言者に見せます。もちろん、内容は明かしてはいけません。もし宣言者の左隣がカードを1枚も持っていなければ「ありません」と宣言してその左隣の人へと移ります。隣の人が持っていなければさらに左隣へと続き、持っている人がいるまでその行程は続くのです。
●名探偵への道 誰がどのカードを持っているかが解れば、最初に抜き取ったカードが何か解ります。そう、このゲームは、手持ちのカードではない「抜き取られたカード」(=本星)を推理して当てるゲームなのです。 ですから、全員がどのカードを持っているのかが解れば自ずと答えははっきりします。時間が経てば誰でも「本星」を当てることは容易なゲームなのですが、それでは他人より早く犯人を当てて勝利することは出来ません。なので、どのカードが誰から誰に渡ったのかをじっくり検討し、パズルを組み立てるように推理しなければならないのです。 時には自分の持っているカードをわざと推理宣言して、誰もがカードを持っていないように騙すことも有効な戦術でしょう。正確な情報をいち早く掴む推理力が試されるゲームがこの『クルード』の醍醐味なのです。 このゲームで鍵になるのは自分の「右隣」に座った人。推理宣言は左隣の人のカードに対して行われるので、ぐるりと1周廻らなければ右隣の人のカード情報を得られないのです。ですから、いち早く右隣の人のカードの手札情報を得れれば犯人により早く近づくことが出来る訳。 さあ、皆さんも名探偵よろしく難事件を解決してみませんか? 何回も何回も挑戦することが出来るこの作品、「脳トレ」にもってこいのゲームだと思いますし、是非一度遊んでみてください。 |
- 2011.06.07
- 17:39
10.『UBONGO』
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● 『UBONGO』しようか?
コンポーネントを開けてみると、沢山のシートとパズルのピース。砂時計に宝石だろうカラフルなプラスチック類。 「なんだ、ちゃっちい子ども騙しなゲームなのか……」 と、内容物だけで判断してしまいそうなゲームなのですが、とんでもない。この『UBONGO』は閃きとスピードを要する、流行の「脳トレ」ゲームに匹敵する作品。 もしご自宅にお子さんがいらっしゃるとして、小学生ぐらいならば大人と「対等に」遊ぶことは可能かも? しかも、大人が負ける場面に結構直面することになるはず。もしそれより小さい子どもだったとしても、大人に混じってスピード勝負は出来ないでしょうが、きっと発想力を鍛える良いアイテムになるでしょうね。そんな知育ゲームとしても大いに利用したいゲームなのです。 アナログゲームをこよなく愛する人ならば、友人と集まってちょっとした時間が出来た時に、このゲームを出してくればかなり白熱したゲームを楽しむことが出来るでしょう。2人より3人、できれば4人でプレイしたら、この手のゲームが得意か不得意かよーく解りますから。 ●基本はとても簡単 で、早速ですがこのゲーム、ルールはとても簡単。プレイヤー全員が一斉にパズル台をめくって、そこに与えられたパズルピースを使い台紙の上に全てを綺麗に置くと「ウボンゴ!」と言って早くできあがったことを主張します。 1番の人からボーナスとして「赤い宝石」と袋の中に入れている宝石を1個取ります。2番の人は「茶色の宝石」と袋から宝石を1個、以下の順位は、袋の中の宝石を1個取ることが出来ます。パズル完成には制限時間があり、制限時間内にパズルを完成させることが出来なければ「宝石」は1個ももらうことが出来ないのです。 制限時間はこの画像を見て解るように、ゲームに砂時計が入っているのでこれで計ります。 「なんだ、簡単なゲームじゃねぇか……」 と思うでしょうね。 ええ、とても簡単なゲームなんです。しかし、個のパズルピースが結構ちゃんと収まらないんですよね、これが。
あ、なんでこんなことに気付かなかったんだ!? というような場面に何回も出くわすことでしょう。 ●何回も遊べるゲーム パズル台は両面に問題が印刷されています。片面は3ピースしか出てこない「簡単」な問題で、もう片方が4ピース出てくる「難しい」問題。 3ピースだからといって侮ると結構痛い目にあいます。数が少ないからこそ小さな枠に先入観を持ってピースが埋まりにくくなることが……。柔ら無く柔軟な発想を持っている人の方がきっと早く説くことが出来るのです。 ゲームに準備されているパズルの台紙は54枚あり、両面を使うこととピースの色によって形が変化することなどから432パターンのゲームを楽しむことが出来ます。 「以前やったことがある台紙だぞ!!」 と思っても、ピースの色が異なれば状況は一変するでしょう。 ●試しに問題を解いてみる てなわけで、試しに1枚の台紙を引っ張り出して問題を解いてみることに。本来は多人数で競争するのですが、今回は1人で(寂しく)テスト、テスト。本来は袋の中に6角形の色つきトークンを引き、そのトークンの色のピースを使うのですが、今回は紫を使用。必要な形のピースは画像の通りです。 ピースを準備して早速置いてみることに。砂時計は準備しなかったので追い詰められることはなかったのですが、なかなかピースが合わず苦戦しております。 ええと……これが……おや? これじゃ駄目だし…… と色々考えながらピースを裏表して台紙に置きますが、なかなかぴったり入りません。
完成した時の達成感は、結構良い感じ。これがこのゲームの面白さなのかもしれませんね。 『UBONGO』はいくつかのシリーズ作品が既に登場しています。アナログゲームショップでは、今回例示の画像で使用した『Ubongo Extreme』と対戦専用にデザインされた『Ubongo Duel』の2作品が発売中。今後、オリジナルの『UBONGO』も店舗にて販売を予定しています。 |
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- 2011.06.07
- 17:39
9.『LAST NIGHT on EARTH』シリーズ
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※『LASTNIGHT on EARTH』及び『Growing Hunger』は2009年6月20日(土)22:00から再入荷分の販売を開始します。発売開始まで商品フォームへのリンクが出来ませんが、時間になるとリンクされますので今しばらくお待ち下さい。 アナログゾンビゲームに決定版が現れた! その名も『LAST NIGHT on EARTH』。 北米の片田舎の街で、闇よりも深い穴からゾンビが出現した。生きのいい肉を求めて徘徊するゾンビたち。人間の知恵と道具は、街に平和を取り戻すことができるのか? このゲームは、ゾンビ側陣営と人間側陣営に分かれて、生死を賭けたサバイバルホラーアクションを展開するボードゲームです。今まで世に出たこの手のボードゲームに比べて、より「ゾンビ映画」に忠実なシーンを再現できることやキャラクターがとても立っていることから、ボードゲームをプレイしているというよりはむしろ、物語を紐解くRPGをプレイしている感覚に陥るような、感情移入の強いゲームなのです。 コンポーネントを観て解るように、カード類は全て実写の画像を使用。ゲームの雰囲気を重視した作りが評価され、これまでに海外でも高い評価を得たゲームの1つに数えられています。 アナログゲームショップでは、基本セットに加えて追加マップとルールを加えたエキスパンションセットに2作の追加シナリオセットを準備。ホラーテイストのゾンビゲームを体験することが出来るのです。 さあ、あなたもこの恐怖をボードゲームで体験して下さい!! |
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※全商品日本語ルール・カード訳付き |
- 2012.06.22
- 16:10
8.『Wings of War』の基礎知識
話題の空戦カードゲーム 『Wing of War』の遊び方指南 |
〈LESSON:1 飛行機の飛ばし方〉 |
〈LESSON:2 実戦の一例〉 |
〈LESSON:3 実戦の一例 その後〉 |
- 2011.06.07
- 17:38
7.『DAWN OF WAR』
第二次世界大戦の名機が駆けめぐる 手軽なカード空戦ゲーム |
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●『Wings of War』との違い〈複葉機から単葉機へ〉 『Wings of War』シリーズも現在BOXサイズが4セット販売され、他にもカードセットやミニチュアも次々登場しております。で、ここではシリーズの中心を担う『Wings of War』からちょっと離れて、第二次世界大戦版の『DAWN OF WAR』についてのお話しを。この『Wings of War』シリーズについてルールや内容の細かな部分に迫ってみたいと思います。 【登場機種について】 ・スーパーマリン スピットファイア MK.1(英) ニューポール17だのフォッカーDr1だの知る人ぞ知る第一次大戦の飛行機よりも、まだ聞き覚えのある名前が見つかりませんか? アリエテやD.520なんてあまり耳にしませんが零戦や隼、ワイルドキャットなんてご存じかも。こんな機体を操って空中戦が繰り広げられるゲームがこのゲーム。しかも『DAWN OF WAR』は1箱だけで上記の主要戦闘機を複数機同士を飛ばすことが可能なのですね。 『Wings of War』ではミニチュアセットによって簡易高度ルールが導入されるようになりましたが、しかし『DAWN OF WAR』では始めから基本ルールブックに入っています(選択ルールです)。メーカーのサイトを見なくては上級の高度ルールが導入できない『Wings of War』に比べるとルールは改訂されている訳ですね。 『DAWN OF WAR』に登場する機体のミニチュアセットは現時点では登場していません。ただ、現時点でこのシリーズのミニチュアが発売予定とアナウンスされているので、今後の入荷に期待していただければと思います。 ちなみに、『Wings of War』のミニチュアセットは3シリーズ登場しましたが、一部の飛行機はミニチュア化されていません。さらにセットに入っていない機体がミニチュアにあるものが。機体にマニューバカードが入っているのでミニチュアがあればプレイには問題ないのですが、1機だけで飛ばすのは物足りませんよね。やはり機体を揃えた上で、まとめて欲しくなるのが性という物で、『DAWN OF WAR』シリーズのミニチュアを含めて、全ての登場飛行機においてセットが早く登場することを望みたいものです。 さて次に『Wings of War』に比べて進化したルールを比較してみましょう。特に〈マニューバカードと速度〉についてちょこっと書いてみようと思います。
●『Wings of War』との違い〈マニューバカードと速度〉 次に『Wings of War』に比べて進化したルールを比較してみましょう。ここでは〈マニューバカードと速度〉について書いてみようと思います。 さてさて、第一次大戦版のゲーム『WoW』と第二次大戦版の『DOW』のマニューバカードですが、比較するとちょっとした違いが見えてきます。よくわかるのが移動の軌跡を表す「矢印」の色について。『DOW』にはカードによって濃紺色と白色の矢印の2本の矢印が描かれているのです。 これは『DOW』から導入されたルール「速度」を表しているのですが、移動計画時に「高速」か「低速」かを選ぶことによって使用する矢印が変わってくるのです。実際にカードを見てもらえばわかりますが、「高速」を選択したら距離が長く飛ぶことに「低速」を選択したら距離が短く飛ぶことになります。なので、小回りを利かせた旋回を望む場合「低速」を選択すれば急旋回が可能となるのですね。 もちろん、マニューバに関して「速度」のルールだけが先のシリーズと変わったところではありません。移動計画時にセットするカードの数が変わっているのです。前作ではカードは3枚セットしなくてはりませんでしたが『DOW』では、事前に2枚カードをセットしておき1枚使えば2ターン後のカードを1枚セットするのです。 ではカードのセット枚数が変わったのは何故なのか? 実はこの答えは結構簡単なのです。これは飛行機の性能差から起こる現象で、馬力もあり速度も速くなった第二次世界大戦の飛行機は操縦桿の操作が複葉機よりも早く方向舵に伝わるため空中戦の格闘時間がよりスピーディーになったことをシステム上で表現している訳です。 『WOW』でマニューバカードの種類は「A」から「J」まで、枚数も1種につき15から22枚とバラエティに富んでいましたが『DOW』のマニューバカードは全マニューバとも18枚なので(「上昇」「下降」の2枚を含む)、機体性能により小回りの差が生じるのですがプレイヤーの空戦技術がゲームに直結しやすいのです。 3ターン分まとめて計画し、相手の動きを予想する前作に対して現在の空戦距離を反射的に判断して次のターンの自機移動計画と敵機の行動を予測する『DOW』はよりスピーディーと言えるでしょう。 その空戦をエキサイティングに演出するのが機種による「火力差」です。 移動計画と敵機の移動予測は、続く射撃に直結し…… 次に〈前作と『DOW』の火力〉についてちょちょいと書いてみようと思います。
●『Wings of War』との違い〈前作と『DAWN OF WAR』の火力〉 射撃の基本システムは『WoW』シリーズ全体を通して全く変化はありません。射撃の際、付属のルーラーで距離を測り、1/2以内の距離ならばより高い火力で敵機にダメージを与えられます。ただし、『WoW』と『DOW』と比較した時ダメージの影響に若干の差が出てきます。それが機体による火力差です。 前作ではダメージカードを引いて損害を判定いましたが『DOW』からカードではなくチットを引くようになりました。火力は「A」から「C」まで準備されているのですがアルファベットが進むに連れてダメージが大きくなると理解して下さい。 『DOW』では火力「A」ならば4回のところを、火力「C」ならば2回で敵機を落とすことが可能になります。ただ、火力が上がれば良いというものでもありません。 例えば、グラマンF4Fワイルドキャットと三菱零式艦上戦闘機21型が同距離で正面から撃ち合いをしたとしましょう。F4Fが12.7ミリ機銃(火力「A」)を搭載しており零戦が20ミリ機銃(火力「C」)を搭載していることから上記の条件ならば零戦有利と思えるのですが、火力「C」のダメージカウンターはダメージ0という結果が結構多く入っています。対するに火力「A」は、「C」よりもダメージ0の確立が低くさらに微かな機体ダメージを確実に零戦に打撃を与えることが多々発生するのです。 確実に命中させるけれどもダメージの小さい火力「A」命中率は低いけど破壊力抜群の火力「C」と表すことが出来る訳です。 もちろん1/2距離に入ってくれれば零戦も「A」「C」「C」と3枚のダメージカウンターを引けるようになりますのでその弱点はカバーできます。前作の『WoW』では1/2距離に入っても引けるダメージカードが単に2枚のみでしたが、『DOW』では有利なポジションで1/2距離射撃をくわえると一瞬にして空中戦の決着が着くことだって起こってきます。 このように、機体の火力性能と射程の距離によって与えられるダメージが変化していることが『DOW』によって大きく変化したシステムと言えます。 しかも、前回お話ししたマニューバがここで影響を与えるのです。F4Fより小回りの効く零戦は、急旋回を繰り返しながら敵機の射界から逃れ、タイミングを計って致命的な一撃を浴びせるという芸当が行えるのです。懐に飛び込まれたら恐怖に怯えなくてはいけないというまさに零戦の真骨頂を『DOW』では味わえる訳ですね。 ・・・と言う訳で、 敵から遠ざからないように先を見越した飛行計画センスを要求される『WoW』と、瞬時の判断と飛行テクニックを楽しめる『DOW』との大きな特徴差はここにあると私は感じています。
●時代は単葉機へ 『DAWN OF WAR』 エキスパンションパック 『WINGS OF WARシリーズ』の第二次大戦版『DAWN OF WAR』にも追加エキスパンションが存在します。 永遠のライバル機とも言えるメッサーシュミットとスピットファイアが各1パックずつ出たのですがアナログゲームSHOPでは2つで1セットとして販売致します。 『DAWN OF WAR』をお持ちの方ならばお気付きと思いますが上記の主力2戦闘機、基本セットでは2対2の空戦しか出来ないのです。その理由はマニューバカードにあります。 スピットファイアは「A」カード それぞれ2セットしか入っておらず、3、4機の飛行中隊を形成できなかったのですがこれで安心して(?)対戦することが可能になります。 飛行シーンともなるカードの地面イラストは今回「地面」「雪面」「海面」の3種類が準備されておりそれぞれの情景にあわしたシーンをシナリオで再現することも可能になったと言えます。 また、今回スピットファイアのパックにはとあるレアな塗装飛行機が入っているのですが……ま、手にとってご確認下さい。 複葉機の『Wings of War』も良いですが高速飛行・低速飛行のマニューバが導入され、馴染みの零戦やF4Fワイルドキャットが登場するこちらのゲームも簡単に楽しめる良いゲームと言えますね。 ●『DAWN OF WAR』 のこれから 某有名ボードゲームサイトを見ると、「Wings of War - Fire from the Sky」という新作の情報が。「Wings of Warシリーズ」の第二次大戦版にあたる「DAWN OF WAR」の新セットが遂に登場するようです。新しい機種が速く登場しないか待ちに待っておりましたから、この情報はとても喜ばしい情報ですね。 今度は爆撃機が入っているようで、「スツーカ」「ドントレース」「99式艦上爆撃機」と3大急降下爆撃機がユニット化されているようです。 いやぁ、待ち遠しいじゃないですか。 ドントレースvs零式艦上戦闘機21型なんて空中戦が出来るんですよ。ドントレースの後部機銃の射撃でパイロット負傷なんて起こったら……「大空のサムライ」を地で再現できる訳ですね。 他に戦闘機も数機登場するようで「エアコブラ」「P40トマホーク」なんかも書いてあります。もちろん、発売になれば当店でも販売予定。業者から注文が来たらすぐにこちらでお知らせ致します。 |
- 2011.06.07
- 17:38
6.『SOAP』
ご都合・お約束TRPG 会話型即興劇ソープオペラゲーム |
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RPGamer3号の付録ゲーム『SOAP』をご存じでしょうか? このゲーム、TRPGでありながらマスターを必要としないゲームなのです。
いわゆるソープオペラ(昼メロのようなドラマ)を再現するために製作されたシステムで、昼メロ特有のどろどろした人間関係を描けながら理不尽かつ急転直下なストリーを味わうことができる「会話型即興物語構築遊戯」なのです。 ゲームマスターが必要ない!? ソープオペラが再現できる?? そういわれても、何が何だかよくわからないし、狐につままれたようでよく分からないですよね。 『SOAP』はTRPGなのにTRPGっぽくないところがあります。例えば、各プレイヤーに勝利条件のような目的があることです。そして、その目的を達しながら各キャラクターの持つ「秘密」を暴露することでお話しの「舞台」から他のキャラクターを退場させることが大きな目的になっていきます。 全員協力型のパーティープレイが基本のTRPGとは異なり、自分の都合に合わせて他人の力を利用する駆け引きロールプレイゲームが、この『SOAP』の特徴といえるでしょう。 では、どうやってこのゲームを進めていくのでしょうか? ゲームの進行は、各手番のプレイヤーが自分にとって都合の良いストーリーを発表する事から始まります。まさしく「テーブルトーク」な訳。そのストーリーには他者を陥れる出来事を綴っていくのです。ストーリーに誰からも文句が入らなければお話しは成立。次の手番プレイヤーに移って話が続きます。 ストーリー中にキャラクターが危険にさらされることが起こっても全く構いません。ソープオペラではいつでもストーリーのご都合に合わせて役者は復活します。 「実は生きていた!」 なんて超ご都合なストーリー展開がどちらかといえばお約束となっているのがこの『SOAP』なのです。簡単にいうと次の順番でストーリーを修正していけば良い訳ですから……。 ただ、各キャラクターが持つ「秘密」を全て暴露された状態でストーリー上でキャラクターが「死亡」するとゲームから脱落してしまうのです。「秘密」は各プレイヤーの手番に他キャラクターの秘密を「告発」することができ、秘密の全てが白日の下にさらされると危険を回避できなくなってしまうのです。 では、それを阻止する方法は無いのでしょうか? このゲームでは各キャラクターが数枚の「トークン」を持ってゲームを開始します。ゲームの進行中、自分にとって都合の悪いストーリーになってきたらストーリーの変更を求めて「コンテスト」を要求できます。この「コンテスト」で「トークン」を出し合って枚数が多いプレイヤーに現在提案されているストーリーの直接変更決定権が与えられるのです。 このトークンは各キャラクターの有している「特徴」や「秘密」に関する単語をストーリーの中に折り込んで話すことでもらうことができるのです。 「秘密」をストーリーに折り込むと「トークン」が多めに入ってくるのですがストーリーに折り込めば他のキャラクターに「秘密」を知られてしまう可能性が出てくるのです。全ての「秘密」が知られてしまうとゲームから脱落する可能性が出てくる訳でトークン使用のバランスが重要になってきます。 どうです? マスターはいらないゲームでしょ? しかも、面倒なシナリオ準備もいらないし。 このシステムを利用すれば昼メロだけではなく「奥飛騨温泉慕情 湯煙殺人事件」とか「京都殺人案内 六地蔵に秘められた謎」なんかが簡単に遊ぶことも可能なのです。 だって、『SOAP』でサスペンスをやれば犯人は特別作る必要ないし、こじつけで事件は解決しちゃうじゃないですか。こんな都合の良いシステムはないですよね。 即興性が要求されるホンモノRPGを是非一度体験して下さい。 |
- 2011.06.07
- 17:38
5.『OKKO』
『OKKO』に付属しているアドベンチャーブックの第1シナリオ『A MATTER OF HONNOR』を手本に、この作品のゲーム紹介を行いたいと思います。 このシナリオ、装備カードや特別ルールが全くないので、基本的な動きを覚えるためには丁度良いシナリオと言えます。勝利条件も相手のキャラクター全てを倒すことですから、とても分かりやすい訳。 てなわけで、両陣営の登場キャラクターは以下の通りです。 悪魔斬り陣営: 邪悪なものども陣営: 先に邪悪なものども陣営が所定の位置にキャラクターを配置して、それを見てから悪魔斬り陣営がキャラクターを配置します。 プレイするものお互い『OKKO』初体験ということもあり、どの配置が最善の策なのか全く分かりません。 「なせばなるのかな?」 配置を終え早速プレイ開始。 始めにインスピレーションダイスを振り合います。インスピレーションダイスとは『OKKO』特有のシステムに組み込まれた、5つのマークが描かれたサイコロです。そのイラストには「火」「地」「風」「水」「鳥居」のマークが描かれており、各能力値を上昇させたり特殊技能を発動させるために使用するサイコロ。キャラクターの特殊技能を見て該当の属性サイの目を探し出しますが、正直どの能力が具体的に役立つのか今ひとつピンと来ません。 「これも、進めていきゃ分かるでしょ?」 早速、邪悪なものども陣営のキャラクターが動き始めます。最初のターンは移動を済ませるだけで戦闘は発生しません。 「……さてさて、防御値が上がる『地ダイス』をリザーブすれば、相手から斬られても有利になる訳で……必要なサイの目が出てないや(笑)。あ、だけど特殊技能があるからこれに置いて……と」 自分の手番終了時に使っていないインスピレーションダイスがあれば、リザーブしてキャラクターカードの上に置くことができます。そうすることで、相手手番に攻撃を受けた際、反撃の特殊技能としてこのダイスを利用することが出来るのです。 はじめのターンは双方移動とリザーブダイスを置くことで終了。静かな立ち上がりでゲームは次のターンに進むことになりました。静かなゲームなんだなと、思っていたのはここまで。いざ斬り合いになると盤面が修羅場と化すことをその時は想像もできなかったのです。 まずは、斬ってみなくちゃ始まらないと悪魔斬り陣営が先手必勝とばかりにNagosakiに飛びかかります。襲いかかってきたのはWindreaper。攻撃側は攻撃能力に炎ダイスを追加、防御側はリザーブダイスも追加ダイスも無い状態です。 「……とりあえず、どんな結果になるか一度やってみないことにはね」 Windreaper: Nagosaki: 「……ありゃ!? 返り討ち?」 サイの目の差が4以上になるとキャラクターは除去なので、この場合はサイの目の低いWindreaperが襲いかかったにもかかわらず「返り討ち」にあったことになりました。 いきなり起こった戦闘解決にしては極端な結果になってしまいましたが、基本的に『OKKO』というゲームは、サイコロで極端な目を出さなければキャラクターが除去される怖れはほとんどないのです。絶妙にサイの目1差で収まって押し出されたりすることが連続します。 ならば、決着が着かないじゃないか? と言う人がいるかも……しかし、それはあまり心配する必要はありません。 「押し出し」できる場所には制限があります。 しかも、押し出された場所によっては混乱をきたしカードを裏向けなければならないエリアも存在するのです。では、既に混乱しているキャラクターがそういう場所に「押し出し」されたら……もちろん、除去となるのです。この辺りはシミュレーションゲームをする感覚で、複数の人物で敵キャラクターを追い込んで仕留めるという戦術が有効に発揮しますが、それを防いだりより効率よくするために特殊技能を上手く使うことになるのです。 さらに、少しでも自分の側に有利になるような修正値を得られるようにする努力は特に必要になってきます。例えば、相手キャラクターの視界外から移動をし、さらに相手の攻撃範囲外から斬りかかる「背面攻撃」を行えば、サイコロの目に+1の修正が得られます。さらに、相手キャラクターを攻撃できる他の味方キャラクターがいる状態で攻撃をすれば1人につき1+のサイの目修正が得られる訳。 *** 今回紹介したのは練習シナリオのようなものなので、キャラクターも指定されカード類も使わなかったのですが、他のシナリオになるとゲーム開始時から「銭ポイント」を使ってキャラクターやカードを選択するようになります。また、状況に応じて連続シナリオも用意されているのでキャンペーンを楽しんだりすることも可能です。もちろん、シナリオに従わず「銭ポイント」のみで対戦をしたりすることも、追加エキスパンション『yakuza hazu akai』が発売されたことでゲームにアクセントと広がりが持てるようになりました。近日中にはさらなる追加エキスパンションのアナウンスも出ているので(2009年5月現在)、今後も『OKKO』から目が離せない筈!! チャンバラの雰囲気を十二分に味わえる、フランスからやってきたコミック原作のボードゲーム。是非チャレンジして下さい。 |
- 2011.06.07
- 17:38
4.『BATTLESTAR GALACTICA』
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●『BATTLESTAR GALACTICA』とは…… 「サイロン」は12惑星連合での生活を快適にするために創られた機械生命体だった。時は流れ、サイロンは「創造主」を抹殺するために反乱を開始した。長く、血みどろの戦闘の末に休戦条約が締結され、サイロンは彼ら自身が求める別世界へと旅立っていったのだ。 それから40年、奴らは人類を絶滅させるために戻ってきた 防衛プログラムにウィルスを侵入させることに成功したサイロンは、ネットワーク化されたコロニアル艦隊を無力化し、人類を破滅の縁に追い込んだ。 しかし、人類にはまだ希望の光が。 サイロンの全面攻撃を受けたその日、コロニアル艦隊から退役を迎えた旧型艦バトルスター(宇宙空母)〈ギャラクティカ〉は、幸運にもサイロンのネットワークウィルスの影響を受けない状況にあった。難を逃れたギャラクティカは生き残った人類の船団を引き連れ、伝説の惑星「地球」に新天地を求めて旅立った。 人類に残されたわずかな希望は、容赦のないサイロンの攻撃から逃れ、地球を見つけること。しかし残された物資は底を尽き、敵は人間そっくりの外見で、既に艦隊内部へと侵入していることが明らかになったのだった……。 人類は果たして生き残ることができ、伝説の惑星「地球」へ到達することが出来るのだろうか?
●人類は生き残ることが出来るのか!? 海外のテレビドラマをボードゲーム化したのが、この『BATTLESTAR GALACTICA』という作品。 このゲーム、ホントにヤバイです。 某ボードゲームサイトで10点満点中一時期8点台を一定期間叩き出していたのですが、これは本当に面白いゲーム。いや、絶賛されているのは確かですね。 個人的な感想なのですが、そうですね……FFP社の『LASTNIGHT on EARTH』を初めてプレイした時と同じ衝撃だったと思います。 この2つのゲームに共通していることは、ボードゲームなのによっぽどTRPGっぽいドラマチックな展開が楽しめるということ。ストーリーを知らなくとも感情移入しやすくゲームは作られており、ボードゲーム特有のプレイヤー同士の駆け引きが要求される点は、どのボードゲームよりも優れた作品に仕上がっていると思います。 『BATTLESTAR GALACTICA』ですが、プレイヤー全員はギャラクティカ号のクルーとなり、様々なサイロンの妨害をクリアしながら伝説の惑星「地球」をめざします。ゲームの勝利条件は、プレイヤー全員に適用されるので、協力して目的を目指すタイプのゲームと理解すればわかりやすいでしょう。ゲームは8ジャンプ単位成功した後もう一度ジャンプに成功したら勝利を納めるのですが、それを阻止するプレイヤーが現れます。 プレイヤーの中には「サイロン」という人類に敵対する機械生命体が加わっています。 そう、味方の中に必ず「裏切り者」がいるのです。 誰が味方で誰が敵か解らない状況で、「サイロン」プレイヤーは人類の勝利条件に対して妨害を施します。なので、人類側の目的が達成できない場合、「サイロン」プレイヤーが勝利を納めると言うのがこのゲームのミソと言えるでしょう。 ところで、味方の中に敵がいるっていっても、 「妨害し続けていたら、はっきりと敵が誰だか早くに解っちまうやんか。そんなゲームで本当に面白いの!?」 なんて言われそうですが、このゲーム、その点ちゃんと処理している訳で。 毎ターン、プレイヤーたちが協力して「危機」を脱しなくてはいけない場面がちゃんと準備されていて、その場面で誰が妨害したか解らないように秘密裏に邪魔をし、さらにその妨害を巧く人になすりつけることさえ出来るのです。 ●裏切り者は誰だ!? 毎ターン、ギャラクティカでは、これでもか!と言わんばかりの困難な危機が立ちはだかります。プレイヤーは手番フェイズの最後に1枚の『危機カード』を引きオープンすることで危機を発生することに。参加しているプレイヤー毎にカードが引かれるので、ひっきりなしに災厄が降りかかってくるわけですね。 この危機カードの内容、サイロンからのギャラクティカや輸送船団に対する直接攻撃だけでなく、政治的判断が要求されるイベント的な危機も含まれています。「危機カード」の内容は、テレビドラマで登場したエピソードを基軸に作られていますから『貯水タンク破壊』のエピソードなんかもカードに再現されています。作品を知っている人ならばニヤリとするイベントも沢山含まれているのです。 イベントには難度が数字で示されており、そのイベントをクリアしなければペナルティを貸せられるのです。で、このイベントをプレイヤー全員で解決しようと試みるのですが、キャラクターによってはそのイベントをクリアするのに得手不得手が出てきます。 各プレイヤーは自分の手番で固有の能力に応じて『スキルカード』を数枚獲得します。そのスキルは種別によって区分け(色分けされているので視覚的にもわかりやすくなっています)されており、そのスキルに応じたアクションとして自分の手番にカード内容を実行できます。このカード、アクションを実行するだけでなく「クライシス・フェイズ」に出すこともできるのです。その際はカードの左上に記載された1~5まで振られた数値を利用します。これは『危機カード』のイベントクリアの際に必要になる数字として利用できるのです。 「クライシス・フェイズに」出される『危機カード』は、各カードに記載されている難度を越えるようにプレイヤー全員がスキルカードの数字を合計で投入すればイベントはクリア。システム的にはとても簡単ですよね……。ただし、出されるスキルカードは裏向けて提出するので誰が出したのかはわかりません。さらに、イベントには必要とされるスキルの種別が指示されているので、指示された以外の種別カードが出されると合計数値にマイナスされてしまいます。また、誰かがあからさまに妨害したことを悟られないように、『運命デッキ』というカード山が準備されており、ランダムに2枚プレイヤーが出したカードに加えられるので、作為的に妨害されたのか、ランダムに妨害されたのかが解りにくくなるのです。 もちろん、危機カードに対して対応していないスキルカードを出してしまうとマイナス効果があるので、はじめからカードを出さないという選択しもあるのですが、そうすると、「もしかして、カード出さないのは失敗を心では願っているのではないか?」と互いのプレイヤー同士で疑心暗鬼に陥ることだってあり得るのです。 誰がサイロンなのか? お互いに対して警戒心を持ちながらゲームを進めていかなければならばいジレンマ。このバランスが『BATTLESTAR GALACTICA』の面白さにアクセントを与えているのです。 ●おまえがサイロンなのか!? 「クライシス・フェイズ」で正体がばれてしまうとゲームが終了するのか……というとそうではありません。しらを切り通すもよし、自ら正体を明かしてもよしなのです。 または、正体がばれていても全く問題なく目的を達成することだってできるのです。その妨害をサイロン側プレイヤーは行えばよいわけですが、条件はいくつかの方法が残されています。 1)リソース(食料・燃料・モラル・人口)をゼロにする プレイヤーの中には必ず1人以上のサイロンが含まれているのですが、ゲーム開始時に「忠誠カード」を配りそれによってサイロンかサイロンでないかを決定します。 「忠誠カード」はゲーム開始時に参加プレイヤーの倍の数が準備されるのです。さらに、ゲームが進行するともう一度「忠誠カード」が配られるのです。ということは、ゲーム開始時に運が良ければ、誰もサイロンでない可能性もある訳です。 そんな状況で「危機」に対してクリアーできない状況が発生すると、お互いのプレイヤー同士を疑い出すことになります。さらにゲームが進むと今まで疑いをもたれていたプレイヤーがサイロンではなく、実は別の人物がサイロンであって、意図的に濡れ衣を被せることだって出来るようになりるのです。 ルールブックにも明記されているように『BATTLESTAR GALACTICA』の面白さは、サイロン側プレイヤーが紛れていることで生じる疑心暗鬼と緊張です。自分のキャラクターの立場をロールプレイしながら人類側であろうともサイロン側であろうとも目的に対して全力を尽くすことがゲームをさらに盛り上げることになります。 楽しいのは、人類を騙しながらタイミングを見計らってダメージを与えていくサイロンプレイヤーでしょうが、バレないようにゲームに緊張を与えたりコントロールせねばならないのは難しいかもしれませんがね。ちなみに、サイロンだとバレてしまったり、自分で正体を明かすことももちろん出来ます。その場合はサイロンとして全面的に人類に「宣戦布告」することになるでしょうし、対決をしなければならなくなるのですが。 ●個性豊かなキャラクターたち このゲーム、3人から6人まで遊ぶことが出来るゲームなのですが、ゲーム中に準備されているキャラクターは10人。『BATTLE STAR GALACTICA』のテレビドラマをご覧の方にはお馴染みの人が登場しています。 キャラクターは大きく分けて3つのタイプに分かれています。ゲームに勝利を収めるためには3タイプがバランス良く入っている方が勝利へのハードルは低くなるのです。これはキャラクターのタイプによって得意とする分野のスキルがバラバラで、どんなトラブルにも対処できるように布石を打つというためにも心がけなくてはいけないことでしょう。 その登場するタイプとは「軍事的リーダー」「政治的リーダー」「パイロット」の3タイプ。1人だけ「サポート」というタイプもありますが、これは特殊なものと理解してください。 ギャラクティカに襲いかかる危機はサイロンの直接攻撃(空戦でパイロットが中心に対処)だけでなく、イベントによる軍事的な判断を必要とする危機(軍事的リーダーが中心に対処)や政治的な判断を必要とする危機(政治的リーダーが中心に対処)まであります。 各々の「危機」をクリアするために必要とされるスキルはまちまちで、政治的な判断を必要とされる「政治スキル」に関わる「危機」に対して技能を持たないキャラクターは判定時にスキルカードを出すことは出来ないでしょう(出せばマイナスの判定になるので、妨害したことになります。もちろん、サイロンならばやってもいいですが……すぐにバレちゃいますよね)。 このように完全分業制でキャラクターの役割がタイプによって決まっているからこそ、「危機」を回避しそこねたときに「もしや、お前はサイロンじゃないのか!?」という疑心暗鬼が生まれてくるのです。 キャラクターによってタイプが分かれていること以外に、その人物の特徴を現す特殊能力もゲームにアクセントを与えます。例えば、唯一の科学者バルター博士の場合、「サイロン探知機」をゲーム中に1回のみ使用することができ、他のプレイヤーの「忠誠カード」(サイロンか、サイロンでないかを決定するカード)を密かに見ることが出来ます。政治犯としてギャラクティカに収容されている革命家のザレクは、「慈悲なき決断」として人口リソースを1減少させることで、他のリソース全てを1増やすことができるなど、テレビドラマのキャラクターを彷彿とさせる特殊能力が設定されているのです。 最後に、このゲームをプレイする上でオススメのキャラクタータイプを紹介しておきましょう。 色々な「危機」に対して自分から積極的に関わることが出来るのは「パイロット」がオススメです。サイロンの直接攻撃に対してスクランブルで対処しなくてはいけないだけでなく、軍事的な判断に際してもキャラクターによってはスキルを使うことが出来ます。行えるアクションも豊富なので初心者にも勧められるタイプだと思われます。補助的な役割を果たしながらも重要な決断を迫られるタイプは「政治的リーダー」です。特に「大統領」に就任すると、全人類の命運を背負うことになりますし、仮にサイロンだった場合ゲームの勝敗を左右するキャスティングボードを握ることになるからです。面白いタイプのキャラクターではありますが、アナログゲーム馴れしている人にオススメします。「軍事的リーダー」も重職でギャラクティカ号の命運を握ることになります。さらに民間船をどう守り抜くか軍事的な判断だけでなく政治的なバランスも考慮に入れなくてはいけないだけに、かなり制限を与えられる人物です。「提督」になれば進航路の判断も任せられるので、サイロンだった場合他のプレイヤーを密かに翻弄させることもできる面白い役かもしれませんね。 *** 『BATTLESTAR GALACTICA』の魅力を少しはお伝えすることができたでしょうか? まだまだ全てを伝えることができていないとは思いますが、いずれゲームのリプレイをこちらで紹介したいと思っております。 テレビドラマ同様、手に汗握る展開がゲーム中沢山発生するでしょうし、それまで今しばらく自分たちの『BATTLE STAR GALACTICA』をお楽しみくださいね。 |
- 2011.06.07
- 17:38
3.『ROMAN TAXI』
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●ローマは町の賑わい 久々に子どもから大人まで遊べる好ゲームが登場。アナログゲームに馴れていなくとも、簡単にみんなで楽しめる作品が、この『ROMAN TAXI』。アナログゲームショップに『日本語抄訳付き』で発売中!! ふむふむ……「ローマのタクシー」ってタイトルだから、人を輸送して得点を稼ぐゲームなのかな? と思ったあなた、それが正解!! しかし、よーくパッケージを観てみると、ちょっぴり変なタクシーが目に入ります。 そう、古代ローマの戦車(チャリオット)がなんとタクシーになってローマの町を駆けめぐります!! しかも古代ローマで町の人を乗せるから面白い。この『ROMAN TAXI』は箱絵から解るような、ちょぴりコミカルな仕上がりになっているゲームなのです。 ●箱を開けてみると…… 第一印象は「なに!? この目がチカチカするボード」と思うはず。私もそう思いましたし、周りでもこのボードを観てそう叫ぶ人は少なくありませんでした。 ローマ市街のマップに描かれた道は細かくマス目に区切られており、そのマスの中はカラフルな色が塗られています。 このゲーム、自分のコマを動かしたい先の色に合わせて「TRAVELカード」を選び今いるコマの位置から進みたい先のマス目色に向かってタクシーコマを動かします。なので、色によっては10マスぐらいぶっ飛ばすこともできますし、となりのマスで止まらざるを得ないことも……。 「じゃぁ、好きな色を選べばいいじゃん」 と思うのですが、それがなかなか自分の思う色が選べないのです。 これが『ROMAN TAXI』の憎いト・コ・ロ。 ●選ぶはトラベルボードから タクシーを動かすには、自分の手番で「TRAVELカード」を使います。手番で選ぶことができるカードはローマ市街のボードとは別に準備された「トラベルボード」にあるカードの中から選ぶのです。 3列準備されているこのカード、各列には3枚の「TRAVELカード」と1枚の「EVENTカード」が置かれます。各プレイヤーは自分の手番に「EVENTカード」から一番遠いカードを1枚選ぶことができます。もし欲しい色のカードが「トラベルボード」上に置かれていたとしても、先に取れるカードは限られているのです。さらに、ボード上に「TRAVELカード」が無くなってしまえば、「EVENT」を引くしかありません。「EVENTカード」が引かれた瞬間、その列のカードは4枚全て補充されるので、「EVENT」が引かれない限り新たな「TRAVELカード」は場にでてこないという仕掛けになっているのですね。 ●おや!? こんな有名人が!! 乗客のカードには、タクシーの乗り場・降り場・制限時間・獲得ポイントが記載されています。タクシーが空の時に乗り場で待っている人を乗せ、制限時間内にお客を降ろせばポイントをゲット! 制限時間はカードに記載されている時間の倍まで待ってくれるのですが(ローマの人は急いでいるのに気が長いのですよ……)、時間を越えてしまうと怒ってタクシーから降りてしまいます。 あるいは、もう間に合わない!! と思ったら、わざと時間を越えさせて他の乗客にチェンジするって戦術が有効かも。イベントカードの中には、乗客に時間を掛けさせるなんてカードもあるので、それを逆手に使ってタクシーから去ってもらうこともできるんですよね。 さて、乗客のカードを眺めていたら、どこかで聞き覚えのある人が登場します。「カエサルさん」とか「ブルータスさん」とか、「ネロさん」とか……。う~ん……どこかで聞いたような(笑)。こんな有名人を一度自分のタクシーに乗せてみたいと思うのがプレイヤーの心をくすぐりますよね。 ●ルールは簡単、即プレイ可能! いかがでしょうか、『ROMAN TAXI』は? レースゲームだけに自分の手番に時間を掛けず持ち時間を設けてサクサク進めることを推奨しますが、多人数でも遊ぶことが出来るこのゲーム。カードを選び自分のタクシーを動かし、乗客を乗・降車させてポイントを記録することを順番に繰り返すだけで古代ローマ市内のタクシーレースが楽しめるのです。 大人から子どもまで、何の予備知識もなく競技に没頭できる楽しいゲームを是非一度遊んでみてください。 |
- 2011.06.07
- 17:38
2.『A Touch of Evil』
■怪異と戦うならこちらをクリック!>『A Touch of Evil』商品頁 |
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