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7.『DAWN OF WAR』
第二次世界大戦の名機が駆けめぐる 手軽なカード空戦ゲーム |
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●『Wings of War』との違い〈複葉機から単葉機へ〉 『Wings of War』シリーズも現在BOXサイズが4セット販売され、他にもカードセットやミニチュアも次々登場しております。で、ここではシリーズの中心を担う『Wings of War』からちょっと離れて、第二次世界大戦版の『DAWN OF WAR』についてのお話しを。この『Wings of War』シリーズについてルールや内容の細かな部分に迫ってみたいと思います。 【登場機種について】 ・スーパーマリン スピットファイア MK.1(英) ニューポール17だのフォッカーDr1だの知る人ぞ知る第一次大戦の飛行機よりも、まだ聞き覚えのある名前が見つかりませんか? アリエテやD.520なんてあまり耳にしませんが零戦や隼、ワイルドキャットなんてご存じかも。こんな機体を操って空中戦が繰り広げられるゲームがこのゲーム。しかも『DAWN OF WAR』は1箱だけで上記の主要戦闘機を複数機同士を飛ばすことが可能なのですね。 『Wings of War』ではミニチュアセットによって簡易高度ルールが導入されるようになりましたが、しかし『DAWN OF WAR』では始めから基本ルールブックに入っています(選択ルールです)。メーカーのサイトを見なくては上級の高度ルールが導入できない『Wings of War』に比べるとルールは改訂されている訳ですね。 『DAWN OF WAR』に登場する機体のミニチュアセットは現時点では登場していません。ただ、現時点でこのシリーズのミニチュアが発売予定とアナウンスされているので、今後の入荷に期待していただければと思います。 ちなみに、『Wings of War』のミニチュアセットは3シリーズ登場しましたが、一部の飛行機はミニチュア化されていません。さらにセットに入っていない機体がミニチュアにあるものが。機体にマニューバカードが入っているのでミニチュアがあればプレイには問題ないのですが、1機だけで飛ばすのは物足りませんよね。やはり機体を揃えた上で、まとめて欲しくなるのが性という物で、『DAWN OF WAR』シリーズのミニチュアを含めて、全ての登場飛行機においてセットが早く登場することを望みたいものです。 さて次に『Wings of War』に比べて進化したルールを比較してみましょう。特に〈マニューバカードと速度〉についてちょこっと書いてみようと思います。
●『Wings of War』との違い〈マニューバカードと速度〉 次に『Wings of War』に比べて進化したルールを比較してみましょう。ここでは〈マニューバカードと速度〉について書いてみようと思います。 さてさて、第一次大戦版のゲーム『WoW』と第二次大戦版の『DOW』のマニューバカードですが、比較するとちょっとした違いが見えてきます。よくわかるのが移動の軌跡を表す「矢印」の色について。『DOW』にはカードによって濃紺色と白色の矢印の2本の矢印が描かれているのです。 これは『DOW』から導入されたルール「速度」を表しているのですが、移動計画時に「高速」か「低速」かを選ぶことによって使用する矢印が変わってくるのです。実際にカードを見てもらえばわかりますが、「高速」を選択したら距離が長く飛ぶことに「低速」を選択したら距離が短く飛ぶことになります。なので、小回りを利かせた旋回を望む場合「低速」を選択すれば急旋回が可能となるのですね。 もちろん、マニューバに関して「速度」のルールだけが先のシリーズと変わったところではありません。移動計画時にセットするカードの数が変わっているのです。前作ではカードは3枚セットしなくてはりませんでしたが『DOW』では、事前に2枚カードをセットしておき1枚使えば2ターン後のカードを1枚セットするのです。 ではカードのセット枚数が変わったのは何故なのか? 実はこの答えは結構簡単なのです。これは飛行機の性能差から起こる現象で、馬力もあり速度も速くなった第二次世界大戦の飛行機は操縦桿の操作が複葉機よりも早く方向舵に伝わるため空中戦の格闘時間がよりスピーディーになったことをシステム上で表現している訳です。 『WOW』でマニューバカードの種類は「A」から「J」まで、枚数も1種につき15から22枚とバラエティに富んでいましたが『DOW』のマニューバカードは全マニューバとも18枚なので(「上昇」「下降」の2枚を含む)、機体性能により小回りの差が生じるのですがプレイヤーの空戦技術がゲームに直結しやすいのです。 3ターン分まとめて計画し、相手の動きを予想する前作に対して現在の空戦距離を反射的に判断して次のターンの自機移動計画と敵機の行動を予測する『DOW』はよりスピーディーと言えるでしょう。 その空戦をエキサイティングに演出するのが機種による「火力差」です。 移動計画と敵機の移動予測は、続く射撃に直結し…… 次に〈前作と『DOW』の火力〉についてちょちょいと書いてみようと思います。
●『Wings of War』との違い〈前作と『DAWN OF WAR』の火力〉 射撃の基本システムは『WoW』シリーズ全体を通して全く変化はありません。射撃の際、付属のルーラーで距離を測り、1/2以内の距離ならばより高い火力で敵機にダメージを与えられます。ただし、『WoW』と『DOW』と比較した時ダメージの影響に若干の差が出てきます。それが機体による火力差です。 前作ではダメージカードを引いて損害を判定いましたが『DOW』からカードではなくチットを引くようになりました。火力は「A」から「C」まで準備されているのですがアルファベットが進むに連れてダメージが大きくなると理解して下さい。 『DOW』では火力「A」ならば4回のところを、火力「C」ならば2回で敵機を落とすことが可能になります。ただ、火力が上がれば良いというものでもありません。 例えば、グラマンF4Fワイルドキャットと三菱零式艦上戦闘機21型が同距離で正面から撃ち合いをしたとしましょう。F4Fが12.7ミリ機銃(火力「A」)を搭載しており零戦が20ミリ機銃(火力「C」)を搭載していることから上記の条件ならば零戦有利と思えるのですが、火力「C」のダメージカウンターはダメージ0という結果が結構多く入っています。対するに火力「A」は、「C」よりもダメージ0の確立が低くさらに微かな機体ダメージを確実に零戦に打撃を与えることが多々発生するのです。 確実に命中させるけれどもダメージの小さい火力「A」命中率は低いけど破壊力抜群の火力「C」と表すことが出来る訳です。 もちろん1/2距離に入ってくれれば零戦も「A」「C」「C」と3枚のダメージカウンターを引けるようになりますのでその弱点はカバーできます。前作の『WoW』では1/2距離に入っても引けるダメージカードが単に2枚のみでしたが、『DOW』では有利なポジションで1/2距離射撃をくわえると一瞬にして空中戦の決着が着くことだって起こってきます。 このように、機体の火力性能と射程の距離によって与えられるダメージが変化していることが『DOW』によって大きく変化したシステムと言えます。 しかも、前回お話ししたマニューバがここで影響を与えるのです。F4Fより小回りの効く零戦は、急旋回を繰り返しながら敵機の射界から逃れ、タイミングを計って致命的な一撃を浴びせるという芸当が行えるのです。懐に飛び込まれたら恐怖に怯えなくてはいけないというまさに零戦の真骨頂を『DOW』では味わえる訳ですね。 ・・・と言う訳で、 敵から遠ざからないように先を見越した飛行計画センスを要求される『WoW』と、瞬時の判断と飛行テクニックを楽しめる『DOW』との大きな特徴差はここにあると私は感じています。
●時代は単葉機へ 『DAWN OF WAR』 エキスパンションパック 『WINGS OF WARシリーズ』の第二次大戦版『DAWN OF WAR』にも追加エキスパンションが存在します。 永遠のライバル機とも言えるメッサーシュミットとスピットファイアが各1パックずつ出たのですがアナログゲームSHOPでは2つで1セットとして販売致します。 『DAWN OF WAR』をお持ちの方ならばお気付きと思いますが上記の主力2戦闘機、基本セットでは2対2の空戦しか出来ないのです。その理由はマニューバカードにあります。 スピットファイアは「A」カード それぞれ2セットしか入っておらず、3、4機の飛行中隊を形成できなかったのですがこれで安心して(?)対戦することが可能になります。 飛行シーンともなるカードの地面イラストは今回「地面」「雪面」「海面」の3種類が準備されておりそれぞれの情景にあわしたシーンをシナリオで再現することも可能になったと言えます。 また、今回スピットファイアのパックにはとあるレアな塗装飛行機が入っているのですが……ま、手にとってご確認下さい。 複葉機の『Wings of War』も良いですが高速飛行・低速飛行のマニューバが導入され、馴染みの零戦やF4Fワイルドキャットが登場するこちらのゲームも簡単に楽しめる良いゲームと言えますね。 ●『DAWN OF WAR』 のこれから 某有名ボードゲームサイトを見ると、「Wings of War - Fire from the Sky」という新作の情報が。「Wings of Warシリーズ」の第二次大戦版にあたる「DAWN OF WAR」の新セットが遂に登場するようです。新しい機種が速く登場しないか待ちに待っておりましたから、この情報はとても喜ばしい情報ですね。 今度は爆撃機が入っているようで、「スツーカ」「ドントレース」「99式艦上爆撃機」と3大急降下爆撃機がユニット化されているようです。 いやぁ、待ち遠しいじゃないですか。 ドントレースvs零式艦上戦闘機21型なんて空中戦が出来るんですよ。ドントレースの後部機銃の射撃でパイロット負傷なんて起こったら……「大空のサムライ」を地で再現できる訳ですね。 他に戦闘機も数機登場するようで「エアコブラ」「P40トマホーク」なんかも書いてあります。もちろん、発売になれば当店でも販売予定。業者から注文が来たらすぐにこちらでお知らせ致します。 |
- 2011.06.07
- 17:38
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