a-gameピックアップ

6.『SOAP』

ご都合・お約束TRPG

会話型即興劇ソープオペラゲーム

RPGamer3号の付録ゲーム『SOAP』をご存じでしょうか? このゲーム、TRPGでありながらマスターを必要としないゲームなのです。

いわゆるソープオペラ(昼メロのようなドラマ)を再現するために製作されたシステムで、昼メロ特有のどろどろした人間関係を描けながら理不尽かつ急転直下なストリーを味わうことができる「会話型即興物語構築遊戯」なのです。

ゲームマスターが必要ない!?

ソープオペラが再現できる??

そういわれても、何が何だかよくわからないし、狐につままれたようでよく分からないですよね。

『SOAP』はTRPGなのにTRPGっぽくないところがあります。例えば、各プレイヤーに勝利条件のような目的があることです。そして、その目的を達しながら各キャラクターの持つ「秘密」を暴露することでお話しの「舞台」から他のキャラクターを退場させることが大きな目的になっていきます。

全員協力型のパーティープレイが基本のTRPGとは異なり、自分の都合に合わせて他人の力を利用する駆け引きロールプレイゲームが、この『SOAP』の特徴といえるでしょう。

では、どうやってこのゲームを進めていくのでしょうか?

ゲームの進行は、各手番のプレイヤーが自分にとって都合の良いストーリーを発表する事から始まります。まさしく「テーブルトーク」な訳。そのストーリーには他者を陥れる出来事を綴っていくのです。ストーリーに誰からも文句が入らなければお話しは成立。次の手番プレイヤーに移って話が続きます。

ストーリー中にキャラクターが危険にさらされることが起こっても全く構いません。ソープオペラではいつでもストーリーのご都合に合わせて役者は復活します。

「実は生きていた!」

なんて超ご都合なストーリー展開がどちらかといえばお約束となっているのがこの『SOAP』なのです。簡単にいうと次の順番でストーリーを修正していけば良い訳ですから……。

ただ、各キャラクターが持つ「秘密」を全て暴露された状態でストーリー上でキャラクターが「死亡」するとゲームから脱落してしまうのです。「秘密」は各プレイヤーの手番に他キャラクターの秘密を「告発」することができ、秘密の全てが白日の下にさらされると危険を回避できなくなってしまうのです。

では、それを阻止する方法は無いのでしょうか?

このゲームでは各キャラクターが数枚の「トークン」を持ってゲームを開始します。ゲームの進行中、自分にとって都合の悪いストーリーになってきたらストーリーの変更を求めて「コンテスト」を要求できます。この「コンテスト」で「トークン」を出し合って枚数が多いプレイヤーに現在提案されているストーリーの直接変更決定権が与えられるのです。

このトークンは各キャラクターの有している「特徴」や「秘密」に関する単語をストーリーの中に折り込んで話すことでもらうことができるのです。

「秘密」をストーリーに折り込むと「トークン」が多めに入ってくるのですがストーリーに折り込めば他のキャラクターに「秘密」を知られてしまう可能性が出てくるのです。全ての「秘密」が知られてしまうとゲームから脱落する可能性が出てくる訳でトークン使用のバランスが重要になってきます。

どうです? マスターはいらないゲームでしょ?

しかも、面倒なシナリオ準備もいらないし。

このシステムを利用すれば昼メロだけではなく「奥飛騨温泉慕情 湯煙殺人事件」とか「京都殺人案内 六地蔵に秘められた謎」なんかが簡単に遊ぶことも可能なのです。

だって、『SOAP』でサスペンスをやれば犯人は特別作る必要ないし、こじつけで事件は解決しちゃうじゃないですか。こんな都合の良いシステムはないですよね。

即興性が要求されるホンモノRPGを是非一度体験して下さい。

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